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発行 ニューズレター | 電磁界情報センター

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Academic year: 2018

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(1)

J E I C N E W S

50

J a p a n E M F I n f o r m a t i o n C e n t e r N e w s

I n d e x

No.

2017 年 12 月発行

P2 巻頭言

電話によるお問合せ対応について

P3~8 EMF トレンド情報

WHO による健康リスク評価のその後

-商用周波磁界ばく露と小児白血病発症について-

P9 JEIC レポート

平成 29 年度 経済産業省受託事業

「電磁界の健康影響に関する講演会」のご案内

P10~11 コラム

ベルとヘレンケラー

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電話によるお問合せ対応について

管理・受託グループマネージャー 徳永 正一

電磁界情報センターは、平成20年7月の設立、 同年11月の業務開始以来、『中立な立場から、 電磁界に関する科学的な情報をわかりやすく 提供するとともに、「リスクコミュニケーショ ン」の実践を通じて、電磁界の健康影響に関す る利害関係者間のリスク認知のギャップを縮 小する。』を理念・目的として活動しています。

これまで、センターの理念・目的を達成す るために、ホームページや各種パンフレット の作成、一般の方を対象とした講演会、情報 の媒介者を対象とした学会でのセミナー、磁 界測定器の貸出サービスなど、試行錯誤しな がら様々な取組みを行ってまいりました。

そのような中、業務開始以来ずっと継続し て行っている取組みがあります、それは電話 によるお問合せ対応です。

電話でのお問合せ件数は、センターの認知 度上昇に伴い増加し、近年は約70件/月のお 問合せをいただいている状況です。

お問合せ1件あたりの対応時間の平均は約15 分、1 ヶ 月 で1,050分(17.5時 間 )、1年 で12,600 分(210時間)となります。

これだけ多くの時間、一対一でコミュニケー

ションを図ることができるため、電話による お問合せ対応は、各種の取組みの中でも重要 なものと考えております。

お問合せ対応において、所員が心掛けてい ることは、お問合せいただいた方のお話をよ く聞いてから不安や疑問にお答えするという ことです。

お問合せいただく方の電磁界の健康影響に 関するリスク認知(リスクへの心配度)は、そ の方がおかれている状況によりさまざまです。

漠然と不安に思っている方もいらっしゃれ ば、体調が思わしくないのは電磁界が原因と 思っているという方もいらっしゃいます。

お話をよく聞くことにより、これまでどの ような情報を得てきたのか、その情報を基に 電磁界のリスクをどのように判断しているの かがわかります。

そして、お問合せいただいた方の状況をよ く理解し、不安や疑問にお答えすることが、 わかりやすい情報提供つながるものと考えて います。

電磁界情報センターは、あと半年ほどで発 足満10年を迎えますが、電話によるお問合せ 対応は、これからもずっと続けて いく大事な取組みです。

「わかりやすい情報提供は電磁 界情報センターの誇り」、そのた めには「お問合せいただいた方の お話をよく聞く」を徹底してまい ります。

電磁界情報センターでは、電磁 界の健康影響に関する最新の情報 をご提供しています。

お気軽にお問合せください。 平成20年度は11月以降のデータ

(3)

EMF

トレンド情報

W H O に よ る

健 康 リ ス ク 評 価 の そ の 後

商用周波磁界ばく露と

小児白血病発症について

大久保 千代次

電力施設や家電製品から発生する商用周波電 磁界の健康問題は、1979年に、コロラド州立 大学のWertheimer等が発表した疫学(人の病気 と環境因子との関連性を統計的に評価する学問) 報告(Wertheimer他 1979)が発端となりまし た。1950から1973年までにコロラド州デン バー地区に於いてがんで死亡した14才以下の子 供344人と、健康な子供344人と比較して、各 家庭に電気を配るための配電線の敷設パターン (ワイヤコード)と小児がんによる死亡との関連 性を調べた研究です。その結果は、大きな電流 が流れる施設(磁界の大きさは電流に依存してい ます)の近くに住む子供は、そうでない子供に比 べて、小児がんの死亡率が1.6から2.2倍高く、 中でも白血病は約3倍高いという内容でした。こ れを受けて、更なる疫学研究や関連性を裏付け るための生物学的研究が実施されたのですが、 1988年にはノースカロライナ州立大学の公衆 衛生学のSavitz等が、Wertheimer等の研究方 法を改善したうえで、同じデンバー地区に住む 人を対象に同様な調査を行いました(Savitz等 1988)。今回はがん死亡者数ではなく、小児が

んの罹患率を比較した結果、配電線の近くに住 んでいた14才以下の子供の小児がんの発症率 は、そうでない子供と比べて1.5 ~ 2倍高いと いう内容です。 つまり、偶然この様な現象が起 こったのではなく、再現性のある現象と理解さ れ、米国のみならず全世界で電磁界問題は大き な社会的関心事となりました。

米国政府は、1992年に「EMFラピッド計画」 という研究プロジェクトを発足。プロジェクト では、これまでに問題となっていた商用周波磁 界(以下磁界)の小児白血病、脳腫瘍、乳がん、 神経行動、生殖への長期的なばく露影響に焦点 が当てられました。1999年には、まとめ役の 国立環境保健科学研究所長は「電磁界が完全に安 全とは認められないが,真に健康に危険である という確率は小さい。」と述べています。

(4)

EMF

トレンド情報

かったことから、磁界の発がん性を2B(発がん 性があるかも知れない)に分類しました。

WHOでは、2007年には商用周波電磁界の健 康リスク評価を終えて、リスク評価書である環境 保健クライテリア(EHC)238を発行しました。 その全文は、環境省が既に和訳していますので、 以 下 のURL: http://www.env.go.jp/chemi/ electric/material/ehc238_j/index.htmlから ご覧下さい。お忙しい方は、この中の「要約およ び更なる研究のための勧告」を、これも長すぎる と思われる場合は、WHOのファクトシート322 をお読み下さい。和訳文は、URL: http://www. jeic-emf.jp/assets/iles/pdf/faq/Factsheet_ No322.pdfから入手できます。

WHOの商用周波電磁界に対する健康リスク評 価の主論として、電磁界を構成する電界につい ては、短期的・長期的に見て、生活空間で遭遇 するレベルの電界には本質的な健康リスクはな い。一方、磁界については、生活空間で遭遇す るレベルの磁界には短期的な問題はないが、長 期的なばく露影響には小児白血病についての不 確かさが残っている。この不確かさの背景には、 疫学研究で示される、居住環境としては比較的 高い磁界レベル(注:我が国では人口の1%未満 に相当すると推定されています)と小児白血病発 症との関連性が認められるものの、この関連性 を裏付ける生物学的な証拠が無いこと。さらに は、関連性を想定できる生物学的なメカニズム がないこと。疫学研究自体にも、研究手法上の 問題点を除けないことなどがあり、結論として、 磁界と小児白血病との関連性に、因果関係があ るとまでは言えないとの見解を示しています。 また、磁界と他の病気、例えば、白血病以外の 小児がん、成人のがん、うつ病、自殺、心臓血 管系疾患、生殖機能障害、発育異常、免疫学的 修飾、神経行動学的影響、神経変性疾患などへ

の関連については、磁界と小児白血病との関連 性を示す証拠よりもはるかに弱いと説明してい ます。従って、小児白血病以外の病気を招く可 能性は、大変低いと言えます。

これから、磁界と小児白血病について少し詳 しく説明します。磁界ばく露と小児白血病発症 との間に一貫した疫学的関連性があるとの根拠 を提供したのは、2つのプール分析報告(Ahlbom 等 2000 ; Greenland等 2000)で、それぞれ 1999年までに発表された9件(カナダ、デン マーク、フィンランド、ドイツ、ニュージーラ ンド、ノルウェー、スウェーデン、米国、英国) あるいは12件(米国2件、カナダ、イングランド、 スウェーデン2件、ノルウェー、フィンランド、 ドイツ、デンマーク、ニュージーランド、メキ シコ)の研究を対象としてこれらの研究データを プールして分析しています。最も注目された Ahlbom等の論文では、居住環境中の磁界ばく露 を余り受けていない0.1マイクロテスラ(磁界の 強さを表す単位。以下μT)未満の子供に比べて 0.4μT以上の子供では、小児白血病を発症する 相対危険度が2倍であり、且つ統計的に有意差が ある(図1中相対危険度の95%信頼区間の下限 が相対危険度1を下回らない)と報告されまし た。

(5)

その後、英国の電力線からの距離と小児白血 病に関する報告(Draper等 2005)や日本の測 定磁界と小児白血病に関する報告(Kabuto等 2006)など新たな疫学研究が公表されました が、WHOの環境保健クライテリア238 (2007 年)では新たな研究結果を加えても、IARCの行っ た磁界の発がん性分類(2B:発がん性があるかも 知れません)は変わらないとしました。

さて、WHOのリスク評価が行われた2007年 から既に10年以上が経過していますが、磁界と 小児白血病に関する研究結果やそのリスク評価 は現在どうなっているのでしょうか。時間を 追って説明します。

2010年に、米国から磁界と小児白血病に関 する新たなプール分析結果が発表されました (Kheifets等 2010)。論文題名は「居住環境磁 界と小児白血病のプール分析-Ahlbom(2000) のプール分析以降の論文について-」で、対象と したのは、2000年から2010年までに発表さ れたイタリア(2件)、ドイツ、日本、英国、タス マニア、ブラジルの7報告のデータをプールして 分析しました。結果として、0.1μT未満の子供 達が小児白血病を発症する確率を1とすると、 0.4μT以上の子供達の相対リスクは1.44倍で したが、95%信頼区間の下限値が1を下回って いる(95%信頼区間0.88-2.36)ため、統計的 有意差はなかったことを示しています(図2右 端)。一方、電力線からの距離で比較すると、 200m以上の子供達に比べて50m以内では小児 白血病発症の相対リスクが1.59倍で、且つ統計 的に有意差も認められました。著者等は、全般 的には、最近行われた研究の多くにおいて関連 は弱くなっているが、磁界に発がん性があるか も知れないという評価を変更させるものではな いと述べています。

同じ2010年に英国から報告(Kroll等2010) も有りました。この報告は、Kroll報告の共著で あるDraper等によって行われた2005年の報告 を別の角度から解析を試みています。2005年 報告は、英国小児がん登録を用いてイングラン ドとウェールズで1962-1995間に出生した 小児について、出生時住所から架空送電線まで の距離と小児白血病との関係を解析した結果、距 離が600m以上に比べて、200m ~ 600mで は 相 対 リ ス ク1.23(95%信 頼 区 間1.02- 1.49)で、統計学的に有意な関連を示しました。 しかし、その関連は、送電線から遠く離れた距 離まで広い範囲でみたものであったため、安易 に磁界で説明することはできなかったと著者は 述べています。そして、2010年の報告では、 同じデータを使って今度は磁界推定値で再検討し ています。その結果、磁界の0.1μT未満の子供 に比べて、0.4μT以上では相対リスクは2.00で あるものの、 95%信頼区間は(0.18-22.04)で 統計的には有意な差は有りませんでした(表1)。

表1 磁界推定値と小児白血病との比較

白血病

磁界カテゴリー別分析、参考レベル:<0.1μT 0.1 ~ <0.2 0.2 ~ <0.4 ≧0.4 2.00(0.50-7.99) 症例0 /対照2 2.00(0.18-22.04)

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EMF

トレンド情報

これらKheifets等 (2010)とKroll等(2010) の報告は、British Journal of Cancerという学 術誌に掲載されたのですが、その掲載を受けて、 同じ学術誌に「疫学における超低周波電磁界と小 児白血病との相関:もう十分?」というタイトル で論説(Schmiedel 等 2010)が掲載されまし た(図3)。これ以上疫学研究を続けても明快な 答えは期待出来ないとの内容です。

それでも2010年以降もこの関連性について の疫学研究報告が続いています。出生時の住所 から架空送電線の距離と小児白血病の関連を追 究したDraper(2005)の報告を更新した研究が 2014年に掲載されました(Bunch等 2014)。 Draper等は、1962年から1995年の英国小児 がん登録を対象に解析していますが、Bunch等 は、2008年までの英国小児がん登録の追跡期 間を延長しました。その結果、2005年の調査 で示された、距離600m未満での小児白血病の 相対リスクは、年代とともに小さくなって来た のです。0–199mでの小児白血病の相対リスク (95%信頼区間)は1960年代では4.50 (0.97– 20.83)、2000年代では 0.71 (0.49–1.03)、 全調査期間では1.12 (0.90–1.38)で、いずれ も95%信頼区間の下限が1を下回り統計的には 意味の無い数値を示しました。そして、著者等

は、年代によるリスク低下が、送電線の物理的 因子(磁界)の影響に起因するとは考えにくいと 述べています。

同年、英国から送電線の磁界ばく露と小児白 血病に関係して大変興味深い仮説が提唱されま した(Swanson等2014)。この論文は、上述の Bunch等(2014)が行った英国での小児白血病 発症と住宅から電力線までの距離に関する疫学 研究のデータを再度検討し、新たな解釈の可能 性を論じています。Bunch等(2014)の報告と して、小児白血病の相対リスクが1960年代か ら2000年代まで数十年にわたり徐々に低下し ていることに着目して、Swanson等は、小児白 血病発症と大気汚染の経年変化や電力線から発 生するコロナイオン拡散と距離との相関を考察 しています。図5は、空気中の放射性核種濃度 と空気中の粒子状物質(PM10やPM2.5)濃度を 用いた大気汚染指標の相対的な経年変化と、電 力線距離による小児白血病の相対リスクを示し ています。その結果は、放射性核種濃度とは関 係せず、大気汚染物質の時代的低下と相関して いる様に観察されます。

図3 学術誌British Journal of Cancerの論説(Schmiedel 等 2010)

図4 年代別の小児白血病のリスク

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次に、コロナイオンが小児白血病発症に関連 するのではないかという説は以前からありまし たが、Swanson等は、電力線からのコロナイオ ン拡散モデルを作成し、風向きや送電線情報を 基に、対象住居のコロナイオンばく露推定量を 推定する一方、全調査対象者で算出したコロナ イオンばく露量推定値をばく露レベル4段階およ び参照群(ばく露なし)に分類して、各ばく露レ ベルの相対リスク(RR)を計算しています(図6)。 著者等は、コロナイオンばく露は電力線接近度 と強く相関した。したがって、白血病リスク上 昇についても、送電線距離尺度とコロナイオン ばく露尺度で結果が一致した(ただし、送電線近 傍ではやや相違)と述べています。

2015年、前述のBunch等は更なる新たな試

みを行いました。使ったデータは前の報告と同 じで、1962年~ 2008年までの英国小児がん 登録です。磁界と小児白血病との関係について、 出生時住所から高電圧地下ケーブルまでの距離 に着目した疫学研究を行いました。地下ケーブ ルまで500m以上離れた子供達と比較して、10 m、20m、50m、100m、200m、500m 未 満の子供たちの小児白血病発症の相対リスクは、 いずれのグループでも統計的な有意な増加は確 認出来ませんでした。著者等は、地中線周辺で の小児白血病発症率上昇があるとすれば、それ はほぼ間違いなく磁界によるものであろう。全 体的に、小児白血病のリスク上昇の証拠は何も 観察されなかった。この結果は、架空送電線周 辺でリスク上昇が見られる場合、それは磁界以 外の要因によって引き起こされるのかも知れな いことを一層示唆する証拠を間接的に提供して いると述べています。

以上、磁界ばく露と小児白血病発症に関する 最近の疫学研究動向を紹介しました。

世界的には、WHO以外で継続的にこの問題に 関するリスク評価を行っている機関は複数あり ますが、国際的な枠組みで行っているのは、EU の欧州委員会(DG/SANTE)の諮問委員会の一つ である、SCENIHR(新興及び新規に同定される 健康リスクに関する科学委員会)が有ります。こ こでSCENIHR設立の背景を説明します。1998 年欧州理事会は、科学的に確認されている電磁 界の短期的なばく露影響を防護するために作成 されたICNIRP(国際非電離放射線防護委員会)の ガイドラインを採用しました。一方、小児白血 病の関連性が示唆されている磁界の長期的なば く露影響に対しては、欧州委員会が2002年に 公表した報告書で、磁界による長期的影響は「用 心のための原則」を適用するには科学的証拠が不 十分であるとの見解を示す一方で、更なる研究 図6 Bunch等(2014)のデータにおける送電線距離分析と

コロナイオン分析の比較 は、年代によるリスク低下が、送電線の物理的

因子(磁界)の影響に起因するとは考えにくいと 述べています。

同年、英国から送電線の磁界ばく露と小児白 血病に関係して大変興味深い仮説が提唱されま した(Swanson等2014)。この論文は、上述の Bunch等(2014)が行った英国での小児白血病 発症と住宅から電力線までの距離に関する疫学 研究のデータを再度検討し、新たな解釈の可能 性を論じています。Bunch等(2014)の報告と して、小児白血病の相対リスクが1960年代か ら2000年代まで数十年にわたり徐々に低下し ていることに着目して、Swanson等は、小児白 血病発症と大気汚染の経年変化や電力線から発 生するコロナイオン拡散と距離との相関を考察 しています。図5は、空気中の放射性核種濃度 と空気中の粒子状物質(PM10やPM2.5)濃度を 用いた大気汚染指標の相対的な経年変化と、電 力線距離による小児白血病の相対リスクを示し ています。その結果は、放射性核種濃度とは関 係せず、大気汚染物質の時代的低下と相関して いる様に観察されます。

図4 年代別の小児白血病のリスク

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EMF

トレンド情報

の必要性があるので、研究を推進し、継続的に 最新の研究結果を踏まえたリスク評価を実施す ることになりました。これを受けて、SCENIHR は、2007年、2009年、2015年 に 最 新 の 研 究結果に基づく公式のリスク評価の報告書を公 表しています。

直近の2015年の報告書では、この問題につ いて、全体として、新たな疫学研究は、0.3-0.4 μTを超える推定された日常の平均磁界ばく露に 伴う、小児白血病のリスク上昇についての初期 の知見と一貫している。これらの知見を説明し 得るメカニズムは同定されておらず、実験研究 からの支持もなく、そのことと疫学研究の欠点 が、因果的解釈を妨げていると述べています。個 人的には、磁界ばく露が小児白血病を発症させ るという仮説は段々説得力を失って来ているよ うに思いますが、まだ先が見通せない状況が続 いています。

参考文献

◦ Wertheimer N, Leeper E. Electrical wiring coni gurations and childhood cancer. Am J Epidemiol (1979) 109 (3): 273-284

◦ S a v i t z D A 他 C a s e - c o n t r o l s t u d y o f childhood cancer and exposure to 60-Hz magnetic fields. Am J Epidemiol (1988) 128 (1): 21-38

◦ Ahlbom A他 A pooled analysis of magnetic fields and childhood leukaemia. British Journal of Cancer (2000) 83(5): 692-698 ◦ Greenland S 他 A pooled analysis of

magnetic i elds, wire codes, and childhood leukemia. Childhood Leukemia-EMF Study Group. Epidemiology. (2000) Nov;11(6): 624-34

◦ Draper G 他 Childhood cancer in relation to distance from high voltage power lines in England and Wales: a case-control study.

BMJ. (2005) Jun 4;330(7503): 1290-1292

◦ Kabuto M 他 Childhood leukemia and magnetic fields in Japan: a case-control study of childhood leukemia and residential power-frequency magnetic fields in Japan. Int J Cancer (2006) 119 (3): 643-650

◦ Kheifets L 他 Pooled analysis of recent studies on magnetic fields and childhood leukaemia. British Journal of Cancer (2010) 103: 1128-1135

◦ Kroll ME 他 Childhood cancer and magnetic fields from high-voltage power lines in England and Wales: a case–control study. British Journal of Cancer (2010) 103: 1122–1127

◦ Schmiedel S 他 The association between ex-tremely low-frequency electromagnetic i elds and childhood leukaemia in epidemiology: enough is enough? British Journal of Cancer (2010) 103: 931-932

◦ Bunch KJ 他 Residential distance at birth from overhead high-voltage powerlines: childhood cancer risk in Britain 1962– 2008. British J Cancer (2014) 110: 1402-1408

◦ Swanson J 他 Childhood cancer and expo-sure to corona ions from power lines: an epidemiological test. J Radiol Prot (2014) 34: 873-889

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J

EIC

 

レポート

平成29年度 経済産業省受託事業

「電磁界の健康影響に関する講演会」のご案内

1. 開催予定

2. お申込み

以下のいずれかの方法でお申込みください。 ・インターネットから:http://www.jeic-emf.jp/

・FAXから : 上記URLより入手したFAX申込票もしくは、ご住所、お名前、ご連絡先(電話番号、 FAX番号)、開催都市を明記したものを、電磁界情報センターへご送信

・ハガキから : ご住所、お名前、ご連絡先(電話番号、FAX番号)、参加会場(開催都市)を明記した ものを、電磁界情報センターへご郵送(住所:〒105-0014 東京都港区芝2-9-11  全日電工連会館3階)

【お問い合わせ先】

一般財団法人電気安全環境研究所 電磁界情報センター  経済産業省委託事業事務局

電話でのお問い合わせは、平日9:00 ~ 12:00、13:00 ~ 17:00の間にお願いします。 TEL:090-5690-1250 FAX:050-3730-5111

E-mail:gest-jeic@jet.or.jp URL:http://www.jeic-emf.jp/

開催都市 開催日時 会 場 定 員

高 知 平成30年1月23日(火)

13:10 ~ 15: 55(開場:12:30)

高知城ホール

多目的ホール(4階) 100名

大 分 平成30年1月30日(火)

13:10 ~ 15: 55(開場:12:30)

大分県中小企業会館

大会議室(6階) 100名

一般財団法人 電気安全環境研究所(JET)は、経済産業省の委託事業「平成29年度電力設備磁界情報 調査提供事業」について受託しました。この事業の一環として、経済産業省主催「電磁界の健康影響に 関する講演会」を下表のとおり開催しますので、多くの方のご参加をお待ちしております。(参加無料)

なお、本講演会は、経済産業省から提示された事業仕様書に基づき実施するもので、電磁界情報セン ターが独自に行っている「電磁界フォーラム」「電磁波セミナー」とは別のものとなりますので、ご理解 のうえお申し込み願います。

ものを、電磁界情報センターへご郵送(住所:〒105-0014 東京都港区芝2-9-11  ものを、電磁界情報センターへご郵送(住所:〒105-0014 東京都港区芝2-9-11 

電話でのお問い合わせは、平日9:00 ~ 12:00、13:00 ~ 17:00の間にお願いします。 電話でのお問い合わせは、平日9:00 ~ 12:00、13:00 ~ 17:00の間にお願いします。

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コ ラ ム

ベルとヘレン・ケラー

今年はグラハム・ベルが生まれて170年に なります。アレキサンダー・グラハム・ベル はスコットランド、エジンバラで生まれ、エ ジンバラ大学とロンドン大学で教育を受け、 祖父と父親の跡を継ぎ、若くして聾唖者の教 育に生涯をかける決心をしています。ベル (Alexander Graham Bell, 1847-1922)

は、24歳の時にカナダに移り、その後1873 年からボストン大学の音声生理学の教授に なっています。

19世紀中庸、イギリスのホイートストン、 クック、ドイツのガウス、アメリカのモール スなどにより有線による電信の実用化が進め られましたが、音声による実用的な電話の発 明はベルによってなされたとされています。 当時、情報のやり取りには電信が使われ、電 信工という専門家が必要でありました。しか し、ベルが発明した電話では特殊な技能を持 つ必要はなく、次第に電信工の仕事が失われ ていきました。有名なエジソンは若い時に電 信工の仕事に従事しています。また、エジソ ンとベルとは数日違いで同じ年に生まれてい ます。

ベルが発明した電話機は合衆国独立100 年を記念して開かれた1876年のフィラデル フィアの万国博覧会に出品され、同年電話機

の特許出願がなされています。博覧会に出品 された電話機はジョセフ・ヘンリーとケルビ ン卿が絶賛したとされ、ケルビン卿は電話機、 電磁式送信機と受信機のモデルをイギリスに 持ち帰っています。なお、ヘンリーはアメリ カが生んだ物理学者で、ファラデーと同時期 に電磁誘導を発見しており、自己誘導の単位 にその名を残しています。

閑話その1:ベルがヘンリーやケルビン卿 を相手に電話機の説明をしていた同じ6月25 日、フィラデルフィアから遠く離れたモンタ ナ州、リトル・ビッグ・ホーン川沿いの広大 な野営地で、カスター将軍率いる第7騎兵隊 がシッティング・ブル率いる総勢5000名と いわれるインディアンによって殲滅していま す。この戦いは幾度も西部劇映画になり、カ スター将軍は悲劇の英雄として描かれていま すが、実際にはインディアンの虐殺者といわ れています。アメリカで電気の進歩による電 話機が展示される万国博覧会が開催される一 方、フロンティアは白人の入植で開発される と共に先住民のインディアンとの間で血なま ぐさい戦いが続き、次第に居留地に閉じ込め る政策をとっていきます。

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国人といわれ、英語に次いで通話に用いられ た言葉が日本語であることが有名な逸話とし て残されています。伊沢修二は信州、高遠藩 生まれで後に東京音楽学校校長になっていま す。伊沢はアメリカ留学中に万国博覧会の視 察を行い、ボストン大学でベルのもとで視話 術を学んでいます。金子堅太郎は福岡、筑前 生まれで岩倉使節団に随行しハーバード大学 に留学し、帰国後に伊藤博文内閣の司法大臣 となっています。金子は、アメリカ大統領ルー ズベルトと同窓で互いに面識を持っていまし た。伊沢は、「ホタルの光」、「仰げば尊し」、 「蝶々」などの小学校唱歌を編集しています。 金子は日露戦争の仲介をルーズベルトに求め、 1905年の小村寿太郎全権のポーツマスでの 日露講和条約調印に立ち会っています。

さて、1887年、ベルが40歳の時に、聾唖 教育をしていた縁からヘレン・ケラーと両親 にアン・サリバンを紹介したことは有名であ ります。この時、ヘレンは7歳、サリバンは 21歳のアイルランド移民でありました。ヘレ ンは生後19 ヶ月で視力と聴力を失っていま す。また、サリバンも視力に障害がありまし た。サリバンは、マーク・トウェインらに「奇 跡の人」と呼ばれるようになっていきます。

ベルは、ナショナル・ジオグラフィックを 発行している「ナショナル・ジオグラフィッ ク協会」の会長を1896年から1904年まで 務めています。この間、1898年(明治31年) には来日し、明治天皇と謁見しています。ベ ルの娘婿が、ベルが亡くなった直後に次のよ うに語っています。「ベル氏は稀に見る孤独な

人生を送られました。私はこれほどひとりき りで多くの時間を過ごした人をほかには知り ません」と。多くの名誉に恵まれたが、ベル は生涯を通して孤独であったことがいえます。 人生の後半、ベルは飛行機の研究と開発に時 間を費やしていますが、実際の飛行機の発明 はライト兄弟に譲ることになっていきます。

一方、ヘレン・ケラーは1937年、1948 年および1955年の3度来日しています。敗 戦後の1948年の来日では熱狂的な歓迎を受 け、我が国の盲人教育に大きな影響を残して いきます。ヘレン・ケラーは1968年、88歳 の誕生日を目前にして逝去しています。なき がらはワシントン大聖堂の地下に安置されて います。

参考

・ ブルース・ロバート:『孤独の克服』(グラハム・ ベルの生涯)。唐津一監訳。NTT出版。1991年 ・ ヘレン・ケラー:『わたしの生涯』。岩橋武夫。

角川文庫。昭和41年。

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電磁界情報センター賛助会入会のご案内

当センターは、センターの活動にご理解をいただける皆さまの賛助会費によって支えられています。 賛助会員には3つの種別があります。

電磁界情報センターホームページURL http://www.jeic-emf.jp/ TEL:03-5444-2631 / FAX:03-5444-2632 

入会をご希望される方は、センターホームページへアクセス、又は電話/ FAXにてお問い合わせ下さい。

● 法人特別賛助会員(1号会員)    年会費100万円/口

● 法人賛助会員  (2号会員)    年会費 1万円/口

● 個人賛助会員  (3号会員)    年会費 3千円/口

「JEIC NEWS」に対してご意見・感想をお寄せ下さい

「JEIC NEWS」は、センターの活動報告、国内外の最新情報、電磁界(電磁波)に関する豆知識など の記事を4カ月に1回程度で発行しています。読者の皆さまからの本誌に対するご意見・感想をお寄 せ下さい。記事としての掲載など誌面づくりに活用させていただきます。

海外の専門家の記事を紹介してほしい。

電磁界(電磁波)に関する技術解説記事が読みたい。

電磁界情報センターのフォーラム・セミナーに参加して良かった。(もっと改善してほしい)

電磁界(電磁波)の説明や表現をもう少し分かりやすくしてほしい etc.

※掲載にあたり、読みやすさの観点から表現を変更・修正させて頂くことがあります。 ※個人への誹謗・中傷に当たる表現は削除させていただきます。

ご投稿は、下記に掲載の連絡先(電話、FAX、E-mailのいずれか)までお願いします。 皆さまの声をお待ちしています。

 おかげさまで50号を発行することが出来ました。ご愛読いただいています皆様にお礼を申し上げま す。さて、今号では、「WHOによる健康リスクのその後」と題した内容を紹介いたしましたが、商用周 波数電磁界の健康問題について1979年から現在まで約40年間で多くの研究がなされていますが、未 だ最終結論を導くには至っていない状況が感じられました。今後も最新の情報を提供し、皆様のお役に たてていただければと思います。

情報調査グループ 林 清孝

JEIC NEWS No.50 2017(平成29)年12月25日発行

編集  電磁界情報センター 情報提供グループ

発行人 電磁界情報センター所長 大久保千代次

住所  〒105-0014 東京都港区芝2-9-11 3F

参照

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